犬が下痢になる原因は?病院に行く基準と家でできる対処方法について

2021.4.23 ペットコラム
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子犬とトイレットペーパー

愛犬が急に下痢をすると、何か変なものを食べたのではないか、あるいは病気にかかってしまったのではないかと心配になってしまいますよね。

下痢の原因は複数あり、ただの一過性の場合もあれば、病院に連れていくべき病気ということもあります。

そこで今回は、犬が下痢を起こす原因と病院に行くべきポイント、家でできる対処法について解説します。

目次

1.愛犬が下痢になった原因は?見分ける症状も解説

犬の下痢には様々な理由が考えられます。そのため、下痢を引き起こす原因とそれを見極めるための方法についてご紹介します。

食中毒

傷んだ食べ物や有毒なものを食べた場合、食中毒による下痢が引き起こされ、食べた内容によって、同時に起こる症状が異なります。

カビや病原菌に汚染されたものを摂取すると、嘔吐・食欲不振の症状もみられるでしょう。

一方、洗剤や殺虫剤、チョコレートやネギ類などを摂取した場合は、嘔吐・発熱・けいれん・よだれを流すなど、より重い症状がみられることもあります。

飼い主の見ていないところで摂取しているケースも珍しくないため、部屋の中で何か食べた形跡がないか、必ず確認して原因を探しましょう。

アレルギー

ドッグフードに含まれるアレルギー物質も下痢の原因になります。アレルギーによる下痢の場合、顔や足先、脇や内股などに皮膚炎をおこす場合が多く、しきりに体を掻く行動が見られます。

主なアレルギー食品は牛肉や鶏卵、トウモロコシ、乳製品などですが、アレルゲンは犬によって異なります。食事を変えてから急に体調に変化があったという場合は食物アレルギーを疑いましょう。

誤飲

おもちゃや靴下などの異物を誤飲すると腸閉塞を起こし、ひどい下痢になることがあります。

他に嘔吐・よだれを流す・呼吸が荒い・異常な咳・震えなども同時に起こっていたら誤飲の可能性が高いといえます。

ストレス

愛犬も人間と同じく、ストレスも下痢の原因になります。引っ越しや騒音、季節の変わり目など環境変化がきっかけとなりやすいので、注意が必要です。

下痢の他に、嘔吐、脱毛や皮膚炎になるまで執拗に体を舐める、血が出るほどしっぽや足先を噛むなどの行動がみられる場合は、かなり強いストレスを感じている可能性があるので獣医に相談しましょう。

ウイルス

犬パルボウイルスや犬ジステンパーウイルス、犬コロナウイルスなどに感染した場合、嘔吐や発熱を伴う下痢がみられます。

こういった感染症の場合は、食欲不振・元気消失・血便・くしゃみ・咳・鼻水などの症状もでるのが特徴です。

体力が十分でない子犬や老犬は命に関わる危険もあるため、ワクチン接種を確実に行って予防することが大切です。

寄生虫

回虫や瓜実条虫、鉤虫などの寄生虫が腸内にいる場合も下痢になります。ほかに嘔吐・被毛不良・栄養失調・体重減少・太鼓腹・脱水などの症状もみられます。

寄生虫による下痢は子犬に多く、そのまま長引くと栄養状態が悪くなり、発育に影響を及ぼす場合もあります。定期駆虫で寄生虫が棲みつかないようにしてあげましょう。

内臓疾患

慢性腸症、膵外分泌不全、胃腸の悪性腫瘍などの内臓疾患による下痢の場合、嘔吐や食欲不振、血便や便の回数が増えるなどの症状もみられるはずです。

内臓疾患による下痢は成犬やシニア犬に多くみられ、重篤になるケースもあります。早めに病院へ連れていきましょう。

 

2.病院に行くべき判断ポイント

犬の下痢はよくある症状でもあり、すぐに病院へ連れていくべきか迷ってしまいますよね。一過性のものも多いですが、以下のような症状がみられた時は、迅速に動物病院を受診しましょう。

下痢が3日以上続く

下痢が3日以上続く場合、脱水症の危険性が高まります。下痢によって体内の水分が大量に失われると、身体の維持に必要な水分と塩分が足りなくなり、命の危機にもなりかねません。

通常、犬の下痢は1~2日程度で治まることが多いのですが、それ以上続く時は注意が必要です。

1日に何度も下痢をする

1日に何度も下痢をするときも、受診をおすすめします。

特に、子犬やシニア犬は体力がなく、成犬にくらべて脱水症を引き起こしやすい傾向があり、症状がひどい場合は点滴治療が必要になります。

発熱や嘔吐を伴う

下痢の他に、発熱や嘔吐などの症状がみられる場合は、単純な下痢ではないと考えられます。

急性膵炎や重度の胃腸炎、感染症などが疑われるため、早急に受診して治療を受けましょう。

かなりの出血を伴う下痢

下痢に少量の血が混じっている程度なら問題ありませんが、目立つほど血が混じっているのであれば、内臓疾患かもしれません。

便が赤い場合は出血性胃腸炎、どす黒い血が混じる場合は胃や十二指腸にトラブルを起こしている可能性があります。悪化するとショック症状を起こす恐れもあります。

体の震えなど腹痛のサインがある

下痢のほかに腹痛の症状がみられる場合も、獣医師に診せると安心です。

体の震え・背中を丸めて歩く・お腹を触ると嫌がるなどは、腹痛を感じているときの仕草です。愛犬のサインを見逃さないようにしましょう。

 

3.家でできる対処法もある

下痢の回数がそんなに多くなく、他に目立った症状も見られず元気もある場合は1~2日程度様子を見てから受診でも良いかもしれません。

犬が下痢をしているときは、腸が過剰に活発化して食べものが下痢に変わりやすい状態になります。腸を休ませるために食事を少し控えて安静にするのが基本です。

成犬やシニア犬であれば、下痢をしてから12~24時間程度、絶食をします。脱水を防ぐため常温の水を少量ずつこまめに飲ませましょう。絶食後の食事は、ふやかしたドライフードなど消化のよいものを少しずつ用意します。

ただし、子犬の場合は低血糖になる恐れがあるため絶食はNGです。消化しやすいようにふやかしたフードを少量ずつ、数回に分けて様子を見ます。

成犬も子犬も、症状が治まるまでは食欲があってもおやつなど他の食事を与えないように注意しましょう。

もし、下痢が3日以上続いたり、他の症状が表れたりする場合は動物病院の受診が必要です。下痢の開始時期や頻度、直前の食事や環境の変化、便の写真などを記録しておくことをおすすめします。

また、市販の下痢止めは病原菌や異物の排出を妨げるので、自己判断での使用は控えたほうが無難です。

 

4.そもそも下痢を予防するには?

下痢の原因は、飼い主さんの努力で予防できるものもあります。常に心がけたい3つの対策をご紹介します。

拾い食いをさせない

拾い食いは大変危険ですので、地面に落ちているものを口に入れさせないように注意しましょう。拾い食い癖のあるワンちゃんの散歩は、リードを短く持ち、落ちているものに近寄ったり、口に入れようとしたりする行動が見られた際は、すぐにリードを引いて遠ざける必要があります。

飼い主の許可なく口に物を入れないトレーニングや「まて」なども有効です。

食事にアレルギー成分が含まれていないかチェックする

フードを変えてから下痢をした場合は、食材によるアレルギーが考えられます。

パッケージの成分表を確認し、以前のものと違う点はどこか、気になる成分は含まれていないかチェックし、成分表を写真に撮って獣医にも確認してもらいましょう。

ワクチン接種や定期駆虫を行う

ウイルスや寄生虫感染による下痢を防ぐには、定期的なワクチン接種や駆虫が効果的です。

ワクチン接種の場合、生後2か月から4か月の間に2~4回、成犬は年に一度接種します。

定期駆虫の場合は生後3か月まで2週間に1回、生後3~6か月までは月1回、以降は年に4回が推奨されています。

大切な愛犬を感染症や寄生虫症から守るため、予防接種や定期駆虫は必ず行いましょう。

 

5.まとめ

犬の下痢の原因は、アレルギーやストレス、内臓疾患やウイルスといった病気まで様々なものが考えられます。下痢が3日以上続く、1日に何回も下痢をする、発熱や嘔吐、出血、腹痛のサインを見せることがあれば、命に関わる病気の可能性もあるので早めに動物病院の受診が必要です。

ただ、犬が下痢をするのは珍しいことではなく、元気があるのなら自宅の対処でも治まるケースもあります。数時間の絶食や消化の良い少量の食事に変えて、こまめに水分を与えながら様子を見ましょう。

また、愛犬の下痢を予防するために、散歩中の拾い食いをやめさせる、餌の成分を見直す、定期的なワクチン接種や駆虫を行うといった事前対策も大切です。

 

運営会社:イオンライフ株式会社

 

タグ : 下痢
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