愛犬と室内遊び!~楽しみながら嗅覚・知能・身体能力を伸ばしていこう~
2020.10.26 ペットコラム悪天候などが原因で、なかなか散歩に行けないと、愛犬のストレスや運動不足が気になりますよね。
そんな時は、室内遊びを取り入れてみてはいかがでしょうか。
今回は、室内遊びのメリットや遊び方、注意点をご紹介します。
目次
1.犬と室内遊びをするメリット
散歩には犬の視覚・嗅覚・触覚を刺激する作用があり、運動不足の解消はもちろん、ストレスを軽減する効果も期待できます。
そのため、散歩の時間や頻度が減ってしまうと、ストレスが溜まったり、肥満を起こす可能性が高くなることも。
そうした事態を防ぐためにも、ぜひ室内遊びを日常生活に取り入れて、愛犬が健康に過ごせるようにしましょう。
犬が持つ能力を生かした室内遊びは、筋力トレーニングに加え、脳に良い刺激も与えてくれるため、自ら考える力を養ってくれます。また、コミュニケーションが増えることで、飼い主に対する信頼も向上するなど、室内遊びにはメリットがたくさんあります。
次の章から具体的な遊び方をご紹介していきますが、今回は大きく次の3つをお伝えしていきます。
- 嗅覚で考える遊び【ノーズワーク】
- 知能を育てる遊び【クリッカー】
- 身体能力をアップする遊び【アジリティ】
2.嗅覚で考える遊び【ノーズワーク】
「ノーズワーク」とは、犬の嗅覚を使った遊びや仕事のことで、宝探しゲームともいわれています。アメリカ発祥のノーズワークは、認知度はもちろんドッグスポーツとしても人気が高い協議で、定期的に大会が行われるほどです。
ノーズワーク最大のメリットは、集中力や思考力を養いつつ適度な運動ができることであり、年齢や犬種、障害の有無にかかわらず、どんなワンちゃんでも気軽に楽しむことができます。
オヤツとタッパーを2個以上(箱やハンカチでもOK)用意するだけなので、準備もとても簡単です。オヤツを入れるものは何でも構いませんが、繰り返し遊ぶのであれば何度も使えるタッパーがおすすめです。
ノーズワークの遊び方
基本的な遊び方は、次の3ステップです。
- 飼い主は、オヤツの入ったタッパーと空のタッパーを隠す
- オヤツ入りのタッパーをみつけた犬は飼い主に合図で知らせる
- 飼い主がタッパーを開け、正解なら褒めてオヤツをあげる
ただ、いきなりこの遊びを行うのは難しいため、まずはオヤツ入りのタッパーだけで行い「飼い主に知らせるとタッパーを開けてくれる」ことを犬に学習させましょう。
犬にマテをさせ、サーチ(探せ)のコマンドでタッパーに近づき、合図を出したら食べさせます。この動きを繰り返し、犬がノーズワークのルールを理解できたら、徐々にタッパーを離していき、オヤツが入っていない空のタッパーもフェイクとして混ぜていきます。
2種類のタッパーがあることをワンちゃんが認識したところで、タッパーを隠して探させましょう。
慣れるまでは、なるべくニオイが強いオヤツがおすすめですが、遊びに慣れてきたら簡単にオヤツ入りのタッパーを探し出せるようになりますので、ニオイの少ないオヤツに切り替えたり、タッパーの数を増やしたりして、難易度を上げてみてください。
ノーズワークのポイント
ノーズワークを楽しい時間にするためには、いくつかの注意点があります。次の5つのポイントを確認しましょう。
- 飼い主はヒントや誘導をせず、犬にすべて任せる
- 犬が空のタッパーを教えても、飼い主は同じ表情と仕草で開ける
- におい移りで混乱させないように、オヤツは常に同じタッパーに入れる
- ニオイ探しは楽しい反面、非常に疲れる作業なので、5~10分程度で切り上げる
- 成功体験が記憶に残るように、最後は必ず見つけられた状態で終わりにする
3.知能を育てる遊び【クリッカー】
「クリッカー」とは、ボタンを押すとカチッと音が鳴る道具の名前で、一般的にはクリッカーを使った遊びそのものもクリッカーと呼びます。
使い方は簡単で、犬が望ましい行動を取ったタイミングで音を鳴らし、ご褒美をあげます。クリック音とご褒美を関連付けて教えることで、犬に正しく「正解の行動」を伝えることができ、様々な行動を覚えさせることができます。
クリッカーには、犬の脳を刺激し学習能力をアップさせる効果がありますので、通常ではしつけが難しい幼犬やシニア犬にも効果が期待できます。
また、フセなど基本的なしつけ以外にも「スピン(回れ)」や「片付け」などのトリックを覚えさせることもできますので、飼い主さんのアイディア次第でユニークな行動を教えることができるかもしれません。
クリッカーの遊び方
クリッカーを用意したら早速遊んでみましょう。今回は、「ボールをくわえる」を例に、7ステップで遊ぶ(教える)方法をご紹介します。クリッカーを鳴らしたら、必ずオヤツをあげるようにしてくださいね。
- クリックしたらすぐにオヤツをあげることを繰り返し「クリック音=いいこと」と教える
- 犬がボールを見たらクリッカーを鳴らす
- ②を覚えたら、ボールを見ただけでは鳴らさず、ボールに近づいたら鳴らす
- 身体のどこかがボールに触れたらクリッカーを鳴らす
- ボールに鼻が触れたらクリッカーを鳴らす
- ボールを噛んだらクリッカーを鳴らす
- ボールをくわえたらクリッカーを鳴らす
クリッカーのポイント
上手くいくポイントは、犬がクリアできるレベルとスピードに設定し、愛犬に合わせたペースで丁寧に教えることです。そのため、できない場合は前のステップに戻ったり、レベルを下げるなどしてOKです。
大事なことは、愛犬と飼い主さんが一緒に楽しむことですので、気長に楽しむイメージを持つといいかもしれません。
クリッカーは、様々な行動を犬に教えることができる優れた道具ですが、使いこなすまでに時間がかかりますので、具体的には次の3点に注意するようにしてください。
- 1日で達成できると思わず、犬に合わせて時間をかけて根気強く行う
- 犬の負担にならないように、トレーニングは1日15分程度を目安に行う
- 犬の行動をよく観察し、伝わりやすいタイミングにクリッカーを鳴らす工夫をして
4.身体能力をアップする遊び【アジリティ】
「アジリティ」とは、いわゆる犬の障害物競走のことで、世界的に知られているドッグスポーツです。犬と飼い主が息を合わせて障害物をクリアすることで絆が深まりますので、多くの飼い主さんに人気です。
愛犬のバランス感覚や筋力アップにも効果的とされており、シニア犬ではリハビリとしても活用できます。
最近では、家具や小物などで自作の障害物を用意し、自宅でアジリティを楽しむ人も増えています。ここでは、自宅のリビングで簡単に作れる「アジリティフィールド」をご紹介します。
アジリティフィールドの作り方と遊び方
アジリティは感覚的に楽しめる遊びですが、はじめは遊び方が分からないかもしれません。そんな時は、オヤツを使って誘導してみても良いでしょう。
何度も繰り返し行えば、きっと愛犬と楽しむことができますよ。
スラローム
ペットボトルや植木鉢、椅子などを均等に並べて通り抜けさせる。
ハードル
収納ボックスやペットボトルなどを2つ並べ、間に突っ張り棒などをのせる。
突っ張り棒にぶつからないようジャンプさせる。 ※棒は当たったら外れるように軽く固定
トンネル
段ボールやヨガマットなどを筒状にして、犬をくぐらせる。
バランス歩き
クッションや丸めたラグを並べて、その上に不安定なコースを作り、歩かせます。
アジリティフィールドのポイント
飼い主のアイディア次第で様々な遊び方ができるのが、アジリティフィールドですが、安全のために以下2つのポイントを守りましょう。
- 安全なものを利用し、怪我をするようなものは周りから片づける
- 無理強いせず、犬が慣れるのを待つ
5.犬と室内遊びをするときの5つの注意点
犬との室内遊びは、犬が本来持つ能力を最大限引き出し楽しい時間を過ごせます。ただ、せっかくのコミュニケーションも愛犬がケガをしてしまったら本末転倒です。
最後に、犬と室内遊びをする時の注意点を5つご紹介します。
①.安全な環境を整える
室内で遊ぶ時は、犬にとって安全な環境を整えることが何よりも大切です。
長いコードや角が尖ったものなど、思わぬ怪我の原因となるものはたくさんあります。例えば、フローリングは滑りやすいため、関節や靱帯を痛める可能性があります。カーペットや滑り止めマットを敷くことで、防ぐことができます。
夢中で遊んでいるうちに愛犬が怪我をしてしまうことがないよう、危険なものは片付けておきましょう。
②.安全なものを利用する
室内遊びで使うおもちゃは、素材や作りをチェックします。
おもちゃとして売られているものは、安全を考慮して作られていますが、それ以外のアイテムは、誤嚥や破損の危険性があります。
室内遊び用のアイテムを選ぶ時は、大きさや素材などに十分気をつけ、小さいものや壊れやすいものは避けましょう。
③.遊ぶ時間は散歩時間を目安に
室内遊びの時間は、愛犬の体力や集中力に合わせることが大切です。
遊びの時間は普段の散歩時間を目安とし、30分~1時間程度に収めます。10分遊んだらいったん休憩し、また新しい遊びを10分行うなど、小刻みに切り替えると飽きずに続けることができます。
遊んでいるとあっという間に時間が過ぎてしまいがちですが、長時間遊ぶのは避けてくださいね。
④.興奮させすぎない
楽しむことは大切ですが、興奮させてしまうことは危険です。
普段は大人しい犬でも興奮しすぎてしまうと、過剰に吠えてしまったり、場合によっては噛みつきなどの行動が見られることも。
犬のテンションをクールダウンさせるには、「ふせ」や「おすわり」などのコマンドが有効ですので、遊びの最中も定期的にコマンドを出し、愛犬の気持ちを落ち着かせてあげることが大切です。
⑤.フードを与えすぎない
ご褒美にフードやおやつを与える際は、与えすぎに注意しましょう。
食べ物の与えすぎは愛犬の肥満につながり、様々なトラブルを引き起こします。
遊びのなかで愛犬にフードやおやつを与える場合は、そのぶん食事量を調整し、肥満にならないようにしてください。
6.まとめ
外出できない愛犬のストレスや運動不足は、犬の能力を生かす室内遊びによって解消できます。
外に比べてスペースは限られますが、様々な遊びを用意してあげることで、愛犬も十分楽しむことができるはず。
ぜひ室内遊びのバリエーションを増やして、愛犬が毎日楽しく過ごせるようにしてあげましょう。
運営会社:イオンライフ株式会社
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