室内の猫は運動不足が心配!運動不足のサイン、適切な運動量、遊ばせ方の注意点とは
2020.12.22 ペットコラム安全や健康面から、猫を室内で飼育している方は多いものです。
しかし、室内飼いの猫は行動範囲が限られるため、運動不足になりがちです。
今回は、猫の運動不足のサインや運動量の目安、運動時の注意点をご紹介します。
目次
1.室内で飼っている猫の運動不足サイン
猫の運動不足は肥満やストレスを招くだけでなく、様々な病気を引き起こします。たかが運動不足と思って油断せず、気付いたときにできるだけ早く対処するよう心掛けましょう。
これから、代表的なサインを5つご紹介しますので、これらがみられたら注意が必要です。
①.肥満
明らかにぽっちゃりしていたり、動くのが億劫そうな場合は、肥満度チェックをしましょう。
猫の肥満度をチェックするには、見た目と触った感触で肥満度を評価するボディ・コンディション・スコア(BCS)を用います。猫の背中や脇に優しく触れた際、肋骨が分かりにくい・触れないようであれば「太り気味(BCS4)」です。
参照:環境省『飼い主のためのペットフード・ガイドライン~犬・猫の健康を守るために~』
②.グルーミングの極端な増加
グルーミングは猫が安心したいときや、リラックスした状態のときによくみられる行動です。
適度であれば問題はありませんが、毛が抜けるほど執拗に舐めたり、噛んだりする場合は運動不足のサインかも。エスカレートすると、手足やしっぽを噛み続けることもあるため、普段からよく様子をみておきましょう。
③.急に走り回る(真空行動)
真空行動とは、猫が急に家中を走り回ったり、何もないところに飛びついたりすることです。
真空行動は、猫が溜まったエネルギーを発散したいと思っているときや、退屈なときに行うことが多い行動です。
④.いたずらが増えた
障子を破ったり、柱や家具で爪とぎをするのは猫の習性と思いがちですが、ストレスを感じている可能性があります。
多頭飼いの場合、他の猫にちょっかいを出すこともありますが、叱るのはかえって問題行動を助長させます。愛猫のいたずらが増えたと感じたら、運動不足も疑ってみると良いでしょう。
⑤.無気力
無気力になると、高いところに上ったり、ジャンプしたりといった行動が減少します。虫や鳥、おもちゃなど、今まで関心があったものに興味を示さなくなることもあるでしょう。
また、肥満の猫は通常よりも動きにくく、疲れやすいため、激しい運動を避けようとする傾向があります。
これは単なる運動不足ではなく、心因性の体調不良が原因の可能性もありますので、気になる場合は専門医の指示を仰ぎましょう。
2.猫の運動量の目安
猫種によって活動範囲や性格が異なるため、必要な運動量も変わってきます。もちろん個体差はありますが、愛猫の種類から大体の運動量を予想し、運動不足対策を行いましょう。
ここでは、長毛種と短毛種の大まかな性格の違いと、目安となる運動量について解説します。
短毛種
活動範囲が広く、長毛種と比べると活発に動き回る傾向があります。アジア系の猫や顔がほっそりしたタイプの猫種は野生に近く、筋肉質で引き締まった体をしています。
特に若いうちは運動不足になりやすいため、1日20~30分程度は運動させてあげましょう。
猫種例:日本猫、ベンガル、アメリカン・ショートヘア、シャム、ロシアンブルーなど
長毛種
活動範囲が狭く、ゆったりした大人しい性格をしています。運動量の目安は1日10~15分程度で、短毛種ほど活発に動き回ることは少ないでしょう。長毛種の猫は、品種改良の過程で性格が固定されており、温和な気質であることが多い傾向にあります。
猫種例:ペルシャ、チンチラ、メインクーン、ラグドール、ヒマラヤンなど
※ソマリやノルウェージャン・フォレストキャットのように、長毛種でありながら運動量が多い猫種も存在します。
老猫の場合
シニアになって足腰が弱ってくると、高いところから落下して怪我をする可能性が高まります。思わぬ事故を防ぐためにも、高い場所への足場は取り払い、安全な場所で無理のない遊びをしましょう。
適度な遊びは、認知症の予防や筋力の維持につながるため、1日10分程度の運動を1~2回に分けて行ってください。
なお、上記の目安時間は1日数回の運動で満たしていればよく、一度に遊ぶ必要はありません。
3.室内で猫を運動させる方法
猫の運動不足を解消するためには、具体的にどのような工夫が必要なのでしょうか?
室内で猫を運動させる方法としては、以下のようなものが挙げられます。
飼い主と遊ぶ
ネズミや昆虫、鳥などの狩りをシミュレーションした遊びで、猫の狩猟本能を刺激しましょう。子猫の頃に比べて、成猫では一人遊びの頻度が減るため、飼い主側から遊びを提案してあげることが大切です。
高いところにジャンプしたり、飛び降りたり、上下の動きを意識することで運動量はアップします。
一人遊びできるおもちゃ
じゃれ遊びが好きな子猫や、運動能力が落ちてきた老猫には、一人遊びができるおもちゃがおすすめです。猫は飽きっぽい動物で、一度は夢中になったおもちゃでも、繰り返し使うと飽きて見向きもしなくなることがあります。
猫が捕まえやすい形状のものや、触れるとガサガサ音がするものなど、常に新鮮なおもちゃを用意しましょう。
キャットタワーや足場
猫の場合、平地を走り回る必要はなく、上下運動できるかどうかが重要なポイントです。部屋に十分な広さがない場合であっても、キャットタワーや段差のある家具などを用意し、垂直運動を増やしましょう。
高い場所へ行き来できる足場を部屋のあちこちに設置すれば、特別なものを用意する必要はありません。
走りやすいスペース
廊下などをダッシュさせるのも良い運動になり、運動不足解消におすすめです。
猫が思いっきり走れるよう、廊下はドアを開放しておき、荷物などを置かないようにすると良いでしょう。
4.猫を室内で遊ばせるときの注意点
室内飼いの猫の場合、室内での遊びは運動不足やストレス解消につながります。
ただし、間違った遊び方は猫にとって危険であり、猫に悪い癖をつけてしまうきっかけにもなりえます。思わぬ事故を防ぐためにも、猫を室内で運動させるときはしっかりと安全対策を行いましょう。
【猫を遊ばせるときの注意点】
- 遊ぶタイミングは食前(おう吐の防止)
- 遊びの時間は飼い主が管理する・催促は聞かない
- 遊び場の安全対策をしっかりとする
- キャットタワーは年齢や正確に合ったものを選ぶ
- 子猫や老猫は低い場所で遊ばせる
- 手にじゃれつかせない
- 無理をさせない
猫の催促鳴きに応じて遊びを始めたり、手にじゃれつかせたりしてしまうと、無駄鳴きや噛み癖の原因になります。
遊びの開始は必ず飼い主が決めるように徹底し、「鳴けば願いが叶う」と猫に思わせないことが大切です。
5.まとめ
室内飼いの猫はどうしても運動不足になりがちですが、少し工夫をすれば十分解消が可能です。愛猫の健康を守るためにも、猫が発する運動不足のサインを見逃さず、適度な運動量を保ってあげましょう。
今回ご紹介した方法を参考に、愛猫が毎日を楽しく過ごせるように様々な工夫をしてみてくださいね。
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