老犬の痙攣の原因と対処法は?余命宣告で飼い主にできることも解説
2024.5.29 いぬ , ペットコラム老犬の痙攣の原因はてんかんや肝不全、尿毒症などさまざまです。対処法としては、できるだけ広いスペースを確保して怪我をさせないようにすることと、無理に動かさず痙攣の時間と症状を記録する必要があります。
様子を見ても症状が収まらない場合は、速やかに動物病院を受診しましょう。痙攣の原因は病気だけとは限りません。余命宣告される場合も考えられるので、飼い主としてお別れの準備を整えておくことも大切です。
目次
老犬の痙攣と症状の見分け方は?
老犬の痙攣と症状の見分け方を知るには、まず痙攣についての知識を身に着けることが大切です。どういった症状なのかを把握したら、どのように見分けるのかを探ります。
そして具体的な対処法を学び、老犬の症状を見ながら適切な対応を取りましょう。
老犬の痙攣とは
老犬の痙攣は、犬の意思とは関係なく筋肉が激しく収縮する状態を指します。痙攣は全身または一部の筋肉に発生し、犬自身が制御できない動きになるのが特徴です。
痙攣の原因にはさまざまなものがあり、とくに老犬では病気以外の要因でも起こることがあります。たとえば、脳の障害や体内の代謝異常などが原因で引き起こされるケースです。 また、年を取ることで体の機能が低下し、痙攣が頻発することもあります。
このような状態を見た飼い主は驚きと同時に不安になることが多いですが、冷静に対処することが重要です。 まずは痙攣の原因を特定し、適切な治療を行うために知識を身に着ける必要があります。
また、素人のセルフジャッジは危険です。獣医師の診断のもと、老犬の痙攣の原因に直接アプローチする治療を行わなければなりません。
症状の見分け方
老犬が痙攣を引き起こすケースは珍しいことではありません。しかし、一般的な震えとは似て非なるものです。まずは両者を見分けられるよう、正確な情報を知って理解することが重要です。 痙攣は全身または部分的な筋肉の収縮であり、数分間続くことが多いです。
具体的な症状としては、犬かきのように手をばたつかせる、手足をこわばらせて動かす、背中が弓のようにしなるなどが挙げられます。 全身症状では体全体が不規則に動く様子が見られます。
また、呼びかけに反応しない、意識を失うといった症状も見られることがあります。 一方の震えは寒さや恐怖、不安などにより起こる細かい規則的な動きであり、犬の意識は正常です。
震えは持続的であり、主に体の一部に見られます。 痙攣か震えかを見分けるひとつの目安としては、犬の意識が正常かどうかです。痙攣の場合でも意識がはっきりしていることがあるため、最終的には獣医師の診断を受けましょう。
老犬が痙攣をおこしたときの対処法は?
老犬が痙攣を起こした際は、冷静に対処することが大切です。まず、愛犬の安全を確保するために、周囲の危険物を取り除き、できるだけ広いスペースを確保します。痙攣中に犬に触れると怪我をする恐れがあるため、無理に動かさないようにしましょう。
周囲の環境を整えたら、老犬の痙攣時間と症状を記録します。スマートフォンで動画を撮影しておくと、獣医師の診察時に役立てることが可能です。 痙攣が収まった後は、優しく声をかけて様子を観察します。痙攣が5分以上続いたり、繰り返し発生したりする場合は速やかに動物病院を受診してください。
症状が一向に収まらない場合は、大きな病気が潜んでいる可能性があります。素人のセルフジャッジではどうすることもできないため、専門的な診断と治療が必要です。
痙攣をおこした時点で何らかの病気が影響している可能性があります。日常生活のなかで少しでも異常を感じたら、すぐに対応することが重要です。
痙攣を起こす原因は?
痙攣を起こす原因はさまざまです。病気が原因になっている場合もあれば、病気以外の何かが原因になっている場合もあります。原因となる病気やその他の情報を参考にし、老犬の健康と治療に役立ててください。
痙攣の原因となる病気
痙攣の原因となる病気は、てんかん、肝不全、尿毒症、低血糖が挙げられます。ほかにも原因として考えられる病気はあるので、老犬が痙攣を起こす場合は病院でしっかりと診てもらいましょう。
てんかん
てんかんは脳の電気信号の異常により引き起こされる病気で、反復する発作が特徴です。強直性痙攣や間代性痙攣など、さまざまな形式で現れます。
原因は多岐にわたり、一部は原因が明らかになっていません。脳腫瘍や脳炎が原因となることもありますが、頻度は低いといわれています。
肝不全
肝不全は肝臓の機能低下により体内に有害物質が蓄積し、脳に障害を及ぼす「肝性脳症」を引き起こします。症状は、痙攣や食欲不振、沈鬱、体重減少などです。
肝不全は肝臓のさまざまな病気が原因で発生するため、注意が必要になります。老犬の痙攣が肝臓の機能低下によるものだった場合、いくつかの病気を抱えている可能性があるので速やかに動物病院を受診してください。
尿毒症
尿毒症は慢性腎臓病が進行し、腎機能が極度に低下することで発生する病気です。発症すると痙攣や食欲不振、口臭、脱水症状、意識消失などの症状が見られます。
尿毒症は老犬にとって深刻な病気であり、早期の診断と緩和的な治療が必要です。痙攣以外にも脱水症状や突然倒れたりする場合は、速やかに動物病院を受診するようにしてください。
低血糖
低血糖は血糖値が異常に低下することで発生し、痙攣を引き起こす原因となります。栄養不足、インスリンの過剰投与、膵臓の腫瘍などが原因です。
低血糖を防ぐためには、適切な食事管理と定期的な健康チェックが必要になります。低血糖は病気ではありませんが、状況を改善しないと病気に発展する可能性があるので注意が必要です。
痙攣の原因が病気以外のケース
痙攣の原因は必ずしも病気だけではありません。痛みや寒さ、筋力の低下、恐怖などのストレスが原因で引き起こされるケースもあります。 とくに病気の兆候がない場合は、獣医師の診断を参考に生活を改善していきましょう。
痛み
老犬は痛みを感じると、震えや痙攣に似た動きを見せることがあります。とくに関節炎や腰痛など、加齢に伴う痛みが原因となることが多いです。 痛みが原因で震えている場合は、体のどこかを触ったときに反応が強くなることがあります。
たとえば、痛みのある部位に触れると怒ったり、鳴いたりすることがあるので確かめることが大切です。 痛みを軽減するためには、まず痛みの原因を特定する必要があります。獣医師に相談し、適切な診断と治療を受けましょう。
寒さ
老犬は寒さに対する耐性が低くなっているため、寒さが原因で震えや痙攣のような症状を引き起こすことがあります。とくに冬場や冷え込む季節には注意が必要です。
寒さを感じると、犬は体温を保つために筋肉を震わせることがありますが、痙攣とは異なるので注意しましょう。 老犬を寒さから守るためには、温かい環境を提供することが重要です。
暖房器具を使用したり、犬用の温かいベッドや毛布を用意したりして老犬の健康を守りましょう。
筋力の低下
老犬は年齢を重ねると筋力が低下しやすくなるため、震えや痙攣の原因になることがあります。とくに後肢の筋力低下は顕著で、立ち上がりや歩行が困難になる場合があるので注意が必要です。
筋力の低下を防ぐためには、適度な運動が重要です。無理のない範囲での散歩や、軽い運動を日常的に取り入れることで筋力を維持できます。
恐怖
恐怖は老犬にとって震えや痙攣の原因となることがあります。とくに加齢に伴い、不安や恐怖を感じやすくなる犬が多いです。
恐怖を和らげるためには、安心できる環境を提供することが大切です。まず、犬がリラックスできる静かな場所を用意し、外部の刺激を減らすことに努めましょう。
犬の余命宣告で飼い主ができること
犬の余命宣言で飼い主ができることは多くあります。普段通りの生活をすることはもちろん、普段以上に撫でること、好きな食べ物を与えること、好きな人や犬(猫)に合わせること、通院の頻度を考えることです。
愛犬が喜ぶ環境を整えることは、お別れに向かってできる最善の方法になります。
普段通りの生活をする
余命宣告を受けた愛犬に対しては、普段通りの生活を続けることは非常に重要です。日常のリズムを保つことで、愛犬は安心感を得られます。
とくに散歩や食事、遊びなど、愛犬が楽しみにしている活動を継続することが大切です。これにより、愛犬はストレスを感じることなく、穏やかな時間を過ごせます。
また、飼い主自身も普段通りの生活を送ることで、愛犬に対する不安を和らげることが可能です。
普段以上に撫でる
余命宣告を受けた老犬に対しては、普段以上に撫でてあげることが大切です。愛犬の安心感を向上させるだけでなく、ストレスの発散を期待できます。
飼い主がショックを受けていると、その感情が犬に伝わってしまいます。お別れの時が来るまで精一杯の愛情を注いであげることが重要です。
好きな食べ物を与える
余命宣告を受けた愛犬には、好きな食べ物を与えることで少しでも楽しい時間を過ごさせてあげましょう。とくに食欲が低下している場合でも、嗜好性の高い食べ物であれば食べやすくなることがあります。 ただし、健康を害さない範囲で考慮することが重要です。
適切な量と種類を与えないと、状態が悪化してしまう可能性があります。好きな食べ物を与える場合は、獣医師に相談し、老犬の体調に合った食べ物を選ぶように心がけましょう。
好きな人や犬(猫)に会わせる
余命宣告を受けた愛犬にとって大切な時間は、老犬が好きな人や仲の良い他の動物と一緒にいるときです。信頼できる人や動物と一緒に過ごすことで、愛犬は安心感と幸福感を得られます。
可能であれば自宅に招いたり、短時間の外出をしてみたりするのもよいでしょう。愛犬の体調を考慮しながら、無理のない範囲で楽しい時間を過ごさせてあげてください。
通院の頻度を考える
老犬の状態によっては通院の頻度をただしく調整することも重要です。通院がストレスになる場合は、必要最低限に抑えることが負担軽減につながります。 一方で定期的な診察や治療が必要な場合は、獣医師と相談しながら最適な頻度を決定しましょう。
訪問診療を利用することもひとつの方法です。 愛犬の体調を最優先に考え、無理のない範囲で最適なケアを提供してください。
こちらの記事では、老犬の息が荒いときについて解説しています。原因となる病気や平均寿命も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
まとめ
老犬が痙攣を引き起こす原因はさまざまです。獣医師の診断のもと、適切な対処や治療を行いましょう。
余命宣告を受けた場合は、普段通りの生活を続け、愛情をたくさん注ぐことが大切です。愛犬との残された時間を大切にし、できる限りのケアを行いましょう。
ペットライフ知恵袋では、愛犬とのお別れにおける準備やペット葬情報を配信しております。お別れに向けて必要なことを把握したい場合は、ぜひご活用ください。
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